「水金地火木土天海」雑記 【表紙】 今回の新刊の核なので、たくさん褒めていただけてめっちゃうれしい。こういう雰囲気の絵をざきに描いてもらいたくて、逆算してタイトル決めるところから始めた。ない方がマシみたいな棒人間の図とだいたいのイメージを書いて送ってあったんだけど、上がってきたラフがとんでもなく素敵で椅子ごとひっくり返りそうになった。相方が大天才な上にツーカーで伝わるの、ありがたすぎる。 ラフ時点では服装が決まってなくて、バースデースーツとかロマデ衣装とかパジャマとか宇宙服とか意見出しあったんたけど、最終的にざきのセンスにお任せした。9周年衣装が大正解だった。 手のは特に気合い入れてもらってて、互いに伸ばしあってるんだけど、片思い短編集なので触れ合わないようにとお願いしていた。したらこちら、ざきの言葉なんですけど「こはくはスッと手を差し伸べてる感じで、ヒメルは手を伸ばすのにぎこちなさとか躊躇いがあるように表現したかったんだ〜〜」と。こはひめへの理解が高すぎる。嬉しすぎて夜な夜な自分の新刊撫で回してから寝るやばい生き物になってしまっている。 装丁は、この絵をマックス生かすにはマットPPの方がよかったかもしれん…てはじめ思ってたけど、見慣れてきたらこんで良かったような気がしてきた。できたもんが正解。めっちゃ愛しい。 【題】 上記の理由から宇宙っぽい感じのタイトルにしたかった。次は短編集にしようと思っていたこともあり、なんとなく浮かんだ水金地火木土天海で。1文字ずつとるというのも、ざきに送ったLINEを見ると11月の発注時点で決めてたらしい。なんでそうしようと思ったのかは全く覚えていない。 「水母の骨」と「海(かっちりとは決まってなかったけど中身は決まっていた)」から着手して、詰みに詰んだ。この二つが書くのに最も時間を要したし、何回も書き直した。二つで詰んでる間に思いついて、「部屋の桜はまだ萌木」をバーッと書いてしまった。 「火曜日は雨、かたおもい」はもともと何かの時に書こうと思って放置してたのが残ってた。「〜、かたおもい」にしようと思ってたので、じゃあ火曜日がいいかなと。 「金木犀と罪」は酔ったこはくにキスするところと証拠を掴んでるところだけ浮かんでて、書いてるうちに桂花陳酒にたどり着いて金木犀に。 「土筆坊生えた」くらいから残された漢字と題を考えながらストーリーも考えなくてはならず、ハードル爆上がり。天地が特に難題だった。 天はもともと「天を駆ける」って題で、海外に戻ったメルが葛藤の末に結論を出して帰ってくるって話を書いてたけど、死ぬほど納得いかなくて書き直しまくった末に捨てた。帰ってくる理由は分かるけど、そもそも海外に戻るところが飲み込めず。水母の骨と同じ、メルの強さを信じているが故にどうしても飲み込めないものがあった。せっかく書いたしゴミ箱入れてもいいけど、謎のババアのほうがよっぽどよく書けてるくらい。 そんなこんなで追い詰められてた時に、とりあえず書き始めた話がこりゃ「天気雨」だなとさくっと決まった。 最後、地をどうするか…こはくがメルにフラれる話「地球最後の日」をプロットまで書いてみたものの、短編集としてのバランスが悪いなと思って却下。goo辞書で地を含む言葉を全部見たもののピンとくるものがなく、困り果てていた時にたまたま検索に白地(あからさま)が引っかかった。いやもう絶対これ!と思って、バランス的にメルの話にしようと思っていたこともあり、メルがあからさまに恋だと気づく時の話にしようと「白地の恋」で決定。 自分に課した縛りが ・片思い ・全年齢 ・水金地火木土天海1文字ずつ ・こは/ひめ4話ずつ というアホの鬼縛りになり、地獄を見ました。 途中「水金地火木土天海」って太陽からの距離だから、それぞれの片思いの両思いまでの距離を反映できたらいいかも!って思ったんですけど、すぐに出来るかボケが!と思い直し諦めました。たわけすぎる。 並びがメルメルメルこはこはこはメルこはで偏るのと、同じ天気が続くとか、暗さが分散しないとかで並び順変えようかなとも思った時もあったけど、総じて暗いので意味ないわと思ってやめた。それと最初は「水母の骨」、最後は「海と群青」を読んでほしいなと思ったので水金地火木土天海のままに決めた。 【水母の骨】 初めは夢を見るっていう独白から始まって、寝るのが怖くて最近寝不足がひどい→歩いてる時にボールが頭に当たるかなんかして倒れる→また同じ夢を見る→起きたらこはくが手握ってくれてる→夢がバレてて両思い、みたいな感じで書いてたけど、どうにも納得いかなくてめちゃくちゃ時間かかった。悩んでるうちに、納得いかないのは「俺」の強さを信じているからだなってことに気づいて、同時期くらいにタイトルが決まった。 「HiMERUは俺が作り出した完璧な虚像」で、「俺は俺を周りに見せてなくて、俺はHiMERUの皮を被った張りぼて」とは言ってるけど、要の件で折られたとはいえ一人で生きてきたって自負が俺には少なからずあって、張りぼての中身は空洞ではないと思う。「水母の骨」の意味は「ありえない物事の例え」だけど、それだけじゃなくて、「俺」には芯がある、骨があるって意味でもぴったりな題だと思った。水母はただ流されて生きてるけど、「俺」は自分の意思で泳いでる。 夢はHiMERUでいたいっていう願望の現れでもあり、「俺」を忘れないでっていう無意識からの警告でもあると思う。アイデンティティの問題に桜河への恋心も絡んでもうめちゃくちゃなのに、骨のある大人なので、自分なりに折り合いつけて何でもない1日を始められるの信じられるの強い。行先は絶対にハッピーエンドであれ。 【金木犀と罪】 プロットの時点では、桜河が学園ドラマでキスシーンを控えてる頃、桜河が寝てる隙にメルがキスしてた。けど書く段階で、いやそんなことできないでしょと思ってやめた。桜河のことも大事に思ってるし、桜河を想う「俺」の心も大切にしてると思う。そうなると寝てる隙にキスとかできないんじゃないかな。よっぽど追い詰められるまでは。 追い詰められたのに触れたか触れないか分からないくらいのキスしかできないし、それでいて自分の手で大事にしてきたものを傷つけてしまった、怪我してしまったと思って絶望してるのマジでよぉ〜と思う、自分で書いといて。 これはざきに褒めてもらったポイントなんだけど、居酒屋のくだりでメルが桜河のことをいかにかわいいと思ってるかを散りばめられたと思う。掘りごたつから収穫する時に頭を打たないように気をつけてあげるところとか、なぜか片方だけだけ脱げた靴下を回収して履かせてやるところとか。 居酒屋の壁になれるなら3人で酒盛りしてるところから見たい。燐音はたぶん落ち着いた飲み方もできるけど、こはくが飲めるようになったのが未だうれしくて羽目外してるんだと思う。20歳になって間もない桜河は甘めのサワーとか梅酒ロックとかグビグビ飲んでそう。焼酎は臭いし、ビールは苦いし。日本酒はものによってはいけそう。でも桂花陳酒はエモいけど美味しくないよ。 【白地に恋】 なんで暗くなるんや!て思いながら書いてたことしか覚えてない。マトリックスでメルが結構ニキに甘えてる部分あるんだなと思って、書いてて楽しかった。見かけ上メルが年下なのもあるかもだけど、あんまニキのこと年下扱いしないのがいいな。 どうせすぐすました顔に戻るんだろうけど、自覚した瞬間と念願叶った瞬間くらいコントロール失ってめちゃくちゃになってほしい。分かんないけど、もしかすると恋というものに良い印象持ったないかもしれんなと思った。例えば交際経験はそれなりにあったとしても、恋はしたことなさそう。なんなら恋に溺れる人間のことをちょっと馬鹿にしてる気もする。溺れて、人工呼吸してもらえばいいと思うよ。 【火曜日は雨、かたおもい】 もともと何かで途中まで書いておいてあったものを叩き直した。太陽のど攻めとはいえ、片思いのままならなさを知ったら悶々とすることもあるでしょうと思って書いたのに、明るく書こうと思ってた白地に恋よりじめじめしなかった。なんでや。 メルと話すとうれしくて楽しいのに、好きだって気づいたらうまく話せなくなったのが初恋って感じでいいなと思う。余裕な顔した大人の横で、あの小さな頭の中の引き出しという引き出しを開けて話題を探してるのめちゃくちゃかわいい。意識しちゃったら一つ一つの話が続かないから数がいるのもふふふと思う。このメルは分かってるんかな。案外分かってないかも。 【部屋の桜はまだ萌木】 健やか部屋の空気吸いたくて、書いててすごい楽しかった。ジュンくんがこはくのことかわいいと思ってくれてるのめちゃくちゃありがたい。木箱に入ったイチゴ贈りたいよ。 (友だちの)好きな人って言ってるけど、そういうやり方をテレビかなんかで知ってたから使っただけで、本人もまだ恋なのかなんなのか分かってないのかもしれない。メルといると楽しくて、ずっと一緒にいたいなと思ってるのに、現実的には難しいのかもしれないとか、そう思ってるのは自分だけなのかもしれないとか気づいてしまってペショ…ってなるの、あの年頃の子にあることだと思う。こはくが年相応の悩みにうぐぐ…ってなってるのめちゃくちゃテンション上がる。いっぱい考えて大きくなあれ。 逆にメルには分からなさそうな感情だなと思う。あったのかな、つるんでた男友だちに彼女持ちができて、ずっと男同士でいい、楽しいと思ってたのに俺だけやったんか…?みたいなこた。むしろメルが(好きでもないのに告白受け入れて)彼女待ちになってそうな気する。 こはくに熱愛報道(誤報)が出た時のメルがどうなるのか見たいな。「ひ、HiMERUくん?コーヒー全部溢れてるっす…」みたいなギャグになるか、地獄か。 【土筆坊生えた】 好きの気持ちを土筆にたとえたの、自分でやっといてめっちゃいい。1本1本は生えても全然気づかないのに、気づくとびっしり生えてて手に負えなくなってるのがぴったりだと思う。こはくがメルへの気持ちに気づいた時の説明が「どうしようもなく春」になるのがいい。 たぶん桜もまだ咲く予定じゃなかったけど、あんまりこはくが気にするからちょっと咲いてやったんだと思う。世界が祝福してるわ。 【天気雨】 あとがきに書いた通り、もうサビもサビもサビで。桜河に会いたいつって、そんな時に会いにいくわけないし。ばったり会ってしまえばいいのに。泣いてたことも、泣いてた理由も、全部バレてしまえばいいいのに。 ざきに金木犀と罪を読んでもらった時に、ポピーでもメルがシャワー被ってたねって言われたんだけど、たぶん「俺」でいられる場所だからシャワーなんだろうな。言われてから考えたんだけど。HiMERUは泣かないけど、HiMERU(要)の側にいるのサラリーマン風の男だから泣けたのかも。 秋のルームボイス、自分のこと月の裏側だと思ってるとしたらほんとにヤバいなこの人と思う。 【海と群青】 ずっと書きたかった話をやっと書けた。ここで書くこと特に思いつかないくらいよく書けた気がする。じつは一番気に入っている。 裏設定として、バラエティーでニキの食べっぷりを見た漁協のじいさんたちが、この子は爪の先まで喜んで食べてくれそうだなって話になって、直筆の依頼状が送られてきたっていうのがあった。 これ書いた後でマトリックス読んで、賢い人たちの話が終わるのをお利口さんに待っとればええんよ発言があったので大喜びした。 【その他】 短編集って初めてだったから色々難しかった。短編の方が書くの得意だからポピーよりは難しくないっしょ!って思ってたけど、アホかと。既存の世界を広げるのと、八つ新しく世界を産むのでは断然後者の方が難しいに決まっていた。 結局どうにもできなかったけど、全体のトーンとかバランスとか被りとか気にしながら進めるのも新鮮だった。左右どちらのページで始まるのかとかもなかなか、Wordに振り回されてオゲェ〜だった。 全年齢を8本書ききれたのは良かった。R18ってある程度進むルートもセーブポイント決まってるけど、全年齢はオープンワールドだと思う。書いてる時間よりウォエ〜なんも浮かばんどうする!?って思ってた時間のが長かった気がする。 12月のこと一個も決まってない。また短編集にしようか、ポピーみたいな話が連なった中編にしようか、そもそも何を書こうか。でもたぶん考えてると浮かばないから、しばらくぼーっとしようかな。 インテ来ていただいた方、通販で手に取っていただいた方、こんなところまで読んでいただいた方、ありがとうございました。 #創作メモ #イベント いろいろ 2024/06/04(Tue)
【表紙】
今回の新刊の核なので、たくさん褒めていただけてめっちゃうれしい。こういう雰囲気の絵をざきに描いてもらいたくて、逆算してタイトル決めるところから始めた。ない方がマシみたいな棒人間の図とだいたいのイメージを書いて送ってあったんだけど、上がってきたラフがとんでもなく素敵で椅子ごとひっくり返りそうになった。相方が大天才な上にツーカーで伝わるの、ありがたすぎる。
ラフ時点では服装が決まってなくて、バースデースーツとかロマデ衣装とかパジャマとか宇宙服とか意見出しあったんたけど、最終的にざきのセンスにお任せした。9周年衣装が大正解だった。
手のは特に気合い入れてもらってて、互いに伸ばしあってるんだけど、片思い短編集なので触れ合わないようにとお願いしていた。したらこちら、ざきの言葉なんですけど「こはくはスッと手を差し伸べてる感じで、ヒメルは手を伸ばすのにぎこちなさとか躊躇いがあるように表現したかったんだ〜〜」と。こはひめへの理解が高すぎる。嬉しすぎて夜な夜な自分の新刊撫で回してから寝るやばい生き物になってしまっている。
装丁は、この絵をマックス生かすにはマットPPの方がよかったかもしれん…てはじめ思ってたけど、見慣れてきたらこんで良かったような気がしてきた。できたもんが正解。めっちゃ愛しい。
【題】
上記の理由から宇宙っぽい感じのタイトルにしたかった。次は短編集にしようと思っていたこともあり、なんとなく浮かんだ水金地火木土天海で。1文字ずつとるというのも、ざきに送ったLINEを見ると11月の発注時点で決めてたらしい。なんでそうしようと思ったのかは全く覚えていない。
「水母の骨」と「海(かっちりとは決まってなかったけど中身は決まっていた)」から着手して、詰みに詰んだ。この二つが書くのに最も時間を要したし、何回も書き直した。二つで詰んでる間に思いついて、「部屋の桜はまだ萌木」をバーッと書いてしまった。
「火曜日は雨、かたおもい」はもともと何かの時に書こうと思って放置してたのが残ってた。「〜、かたおもい」にしようと思ってたので、じゃあ火曜日がいいかなと。
「金木犀と罪」は酔ったこはくにキスするところと証拠を掴んでるところだけ浮かんでて、書いてるうちに桂花陳酒にたどり着いて金木犀に。
「土筆坊生えた」くらいから残された漢字と題を考えながらストーリーも考えなくてはならず、ハードル爆上がり。天地が特に難題だった。
天はもともと「天を駆ける」って題で、海外に戻ったメルが葛藤の末に結論を出して帰ってくるって話を書いてたけど、死ぬほど納得いかなくて書き直しまくった末に捨てた。帰ってくる理由は分かるけど、そもそも海外に戻るところが飲み込めず。水母の骨と同じ、メルの強さを信じているが故にどうしても飲み込めないものがあった。せっかく書いたしゴミ箱入れてもいいけど、謎のババアのほうがよっぽどよく書けてるくらい。
そんなこんなで追い詰められてた時に、とりあえず書き始めた話がこりゃ「天気雨」だなとさくっと決まった。
最後、地をどうするか…こはくがメルにフラれる話「地球最後の日」をプロットまで書いてみたものの、短編集としてのバランスが悪いなと思って却下。goo辞書で地を含む言葉を全部見たもののピンとくるものがなく、困り果てていた時にたまたま検索に白地(あからさま)が引っかかった。いやもう絶対これ!と思って、バランス的にメルの話にしようと思っていたこともあり、メルがあからさまに恋だと気づく時の話にしようと「白地の恋」で決定。
自分に課した縛りが
・片思い
・全年齢
・水金地火木土天海1文字ずつ
・こは/ひめ4話ずつ
というアホの鬼縛りになり、地獄を見ました。
途中「水金地火木土天海」って太陽からの距離だから、それぞれの片思いの両思いまでの距離を反映できたらいいかも!って思ったんですけど、すぐに出来るかボケが!と思い直し諦めました。たわけすぎる。
並びがメルメルメルこはこはこはメルこはで偏るのと、同じ天気が続くとか、暗さが分散しないとかで並び順変えようかなとも思った時もあったけど、総じて暗いので意味ないわと思ってやめた。それと最初は「水母の骨」、最後は「海と群青」を読んでほしいなと思ったので水金地火木土天海のままに決めた。
【水母の骨】
初めは夢を見るっていう独白から始まって、寝るのが怖くて最近寝不足がひどい→歩いてる時にボールが頭に当たるかなんかして倒れる→また同じ夢を見る→起きたらこはくが手握ってくれてる→夢がバレてて両思い、みたいな感じで書いてたけど、どうにも納得いかなくてめちゃくちゃ時間かかった。悩んでるうちに、納得いかないのは「俺」の強さを信じているからだなってことに気づいて、同時期くらいにタイトルが決まった。
「HiMERUは俺が作り出した完璧な虚像」で、「俺は俺を周りに見せてなくて、俺はHiMERUの皮を被った張りぼて」とは言ってるけど、要の件で折られたとはいえ一人で生きてきたって自負が俺には少なからずあって、張りぼての中身は空洞ではないと思う。「水母の骨」の意味は「ありえない物事の例え」だけど、それだけじゃなくて、「俺」には芯がある、骨があるって意味でもぴったりな題だと思った。水母はただ流されて生きてるけど、「俺」は自分の意思で泳いでる。
夢はHiMERUでいたいっていう願望の現れでもあり、「俺」を忘れないでっていう無意識からの警告でもあると思う。アイデンティティの問題に桜河への恋心も絡んでもうめちゃくちゃなのに、骨のある大人なので、自分なりに折り合いつけて何でもない1日を始められるの信じられるの強い。行先は絶対にハッピーエンドであれ。
【金木犀と罪】
プロットの時点では、桜河が学園ドラマでキスシーンを控えてる頃、桜河が寝てる隙にメルがキスしてた。けど書く段階で、いやそんなことできないでしょと思ってやめた。桜河のことも大事に思ってるし、桜河を想う「俺」の心も大切にしてると思う。そうなると寝てる隙にキスとかできないんじゃないかな。よっぽど追い詰められるまでは。
追い詰められたのに触れたか触れないか分からないくらいのキスしかできないし、それでいて自分の手で大事にしてきたものを傷つけてしまった、怪我してしまったと思って絶望してるのマジでよぉ〜と思う、自分で書いといて。
これはざきに褒めてもらったポイントなんだけど、居酒屋のくだりでメルが桜河のことをいかにかわいいと思ってるかを散りばめられたと思う。掘りごたつから収穫する時に頭を打たないように気をつけてあげるところとか、なぜか片方だけだけ脱げた靴下を回収して履かせてやるところとか。
居酒屋の壁になれるなら3人で酒盛りしてるところから見たい。燐音はたぶん落ち着いた飲み方もできるけど、こはくが飲めるようになったのが未だうれしくて羽目外してるんだと思う。20歳になって間もない桜河は甘めのサワーとか梅酒ロックとかグビグビ飲んでそう。焼酎は臭いし、ビールは苦いし。日本酒はものによってはいけそう。でも桂花陳酒はエモいけど美味しくないよ。
【白地に恋】
なんで暗くなるんや!て思いながら書いてたことしか覚えてない。マトリックスでメルが結構ニキに甘えてる部分あるんだなと思って、書いてて楽しかった。見かけ上メルが年下なのもあるかもだけど、あんまニキのこと年下扱いしないのがいいな。
どうせすぐすました顔に戻るんだろうけど、自覚した瞬間と念願叶った瞬間くらいコントロール失ってめちゃくちゃになってほしい。分かんないけど、もしかすると恋というものに良い印象持ったないかもしれんなと思った。例えば交際経験はそれなりにあったとしても、恋はしたことなさそう。なんなら恋に溺れる人間のことをちょっと馬鹿にしてる気もする。溺れて、人工呼吸してもらえばいいと思うよ。
【火曜日は雨、かたおもい】
もともと何かで途中まで書いておいてあったものを叩き直した。太陽のど攻めとはいえ、片思いのままならなさを知ったら悶々とすることもあるでしょうと思って書いたのに、明るく書こうと思ってた白地に恋よりじめじめしなかった。なんでや。
メルと話すとうれしくて楽しいのに、好きだって気づいたらうまく話せなくなったのが初恋って感じでいいなと思う。余裕な顔した大人の横で、あの小さな頭の中の引き出しという引き出しを開けて話題を探してるのめちゃくちゃかわいい。意識しちゃったら一つ一つの話が続かないから数がいるのもふふふと思う。このメルは分かってるんかな。案外分かってないかも。
【部屋の桜はまだ萌木】
健やか部屋の空気吸いたくて、書いててすごい楽しかった。ジュンくんがこはくのことかわいいと思ってくれてるのめちゃくちゃありがたい。木箱に入ったイチゴ贈りたいよ。
(友だちの)好きな人って言ってるけど、そういうやり方をテレビかなんかで知ってたから使っただけで、本人もまだ恋なのかなんなのか分かってないのかもしれない。メルといると楽しくて、ずっと一緒にいたいなと思ってるのに、現実的には難しいのかもしれないとか、そう思ってるのは自分だけなのかもしれないとか気づいてしまってペショ…ってなるの、あの年頃の子にあることだと思う。こはくが年相応の悩みにうぐぐ…ってなってるのめちゃくちゃテンション上がる。いっぱい考えて大きくなあれ。
逆にメルには分からなさそうな感情だなと思う。あったのかな、つるんでた男友だちに彼女持ちができて、ずっと男同士でいい、楽しいと思ってたのに俺だけやったんか…?みたいなこた。むしろメルが(好きでもないのに告白受け入れて)彼女待ちになってそうな気する。
こはくに熱愛報道(誤報)が出た時のメルがどうなるのか見たいな。「ひ、HiMERUくん?コーヒー全部溢れてるっす…」みたいなギャグになるか、地獄か。
【土筆坊生えた】
好きの気持ちを土筆にたとえたの、自分でやっといてめっちゃいい。1本1本は生えても全然気づかないのに、気づくとびっしり生えてて手に負えなくなってるのがぴったりだと思う。こはくがメルへの気持ちに気づいた時の説明が「どうしようもなく春」になるのがいい。
たぶん桜もまだ咲く予定じゃなかったけど、あんまりこはくが気にするからちょっと咲いてやったんだと思う。世界が祝福してるわ。
【天気雨】
あとがきに書いた通り、もうサビもサビもサビで。桜河に会いたいつって、そんな時に会いにいくわけないし。ばったり会ってしまえばいいのに。泣いてたことも、泣いてた理由も、全部バレてしまえばいいいのに。
ざきに金木犀と罪を読んでもらった時に、ポピーでもメルがシャワー被ってたねって言われたんだけど、たぶん「俺」でいられる場所だからシャワーなんだろうな。言われてから考えたんだけど。HiMERUは泣かないけど、HiMERU(要)の側にいるのサラリーマン風の男だから泣けたのかも。
秋のルームボイス、自分のこと月の裏側だと思ってるとしたらほんとにヤバいなこの人と思う。
【海と群青】
ずっと書きたかった話をやっと書けた。ここで書くこと特に思いつかないくらいよく書けた気がする。じつは一番気に入っている。
裏設定として、バラエティーでニキの食べっぷりを見た漁協のじいさんたちが、この子は爪の先まで喜んで食べてくれそうだなって話になって、直筆の依頼状が送られてきたっていうのがあった。
これ書いた後でマトリックス読んで、賢い人たちの話が終わるのをお利口さんに待っとればええんよ発言があったので大喜びした。
【その他】
短編集って初めてだったから色々難しかった。短編の方が書くの得意だからポピーよりは難しくないっしょ!って思ってたけど、アホかと。既存の世界を広げるのと、八つ新しく世界を産むのでは断然後者の方が難しいに決まっていた。
結局どうにもできなかったけど、全体のトーンとかバランスとか被りとか気にしながら進めるのも新鮮だった。左右どちらのページで始まるのかとかもなかなか、Wordに振り回されてオゲェ〜だった。
全年齢を8本書ききれたのは良かった。R18ってある程度進むルートもセーブポイント決まってるけど、全年齢はオープンワールドだと思う。書いてる時間よりウォエ〜なんも浮かばんどうする!?って思ってた時間のが長かった気がする。
12月のこと一個も決まってない。また短編集にしようか、ポピーみたいな話が連なった中編にしようか、そもそも何を書こうか。でもたぶん考えてると浮かばないから、しばらくぼーっとしようかな。
インテ来ていただいた方、通販で手に取っていただいた方、こんなところまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
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