うさぎのろぐ

ツイートまとめ
アンソロの話

話がまとまらないまま瞬祭礼に突入してしまい、瞬祭礼読んだらスランプに陥ってしまったので、何度も間に合わなかったらどうしようと焦りましたがなんとかなりました。いつもの倍は時間をかけてじっくり向き合っただけあって、夢のアンソロに胸張ってお出しできる話が書けました。

コンビニみたいなアニメイトが一つしかなく、書店に漫画の新刊を買いに行っても発売日には入らない(都会ではフラゲしてるのに)ど田舎で生まれ育ったので、高校生でオタクと化しても同人誌は支部でサンプルだけ拝むものでした。人生で初めて買った同人誌はアンソロです。親の目を盗みに盗み、初めて通販で物を買って代引きで払いました。以来、本を出すこと自体もそうですが、アンソロ参加が書くオタクとしての大いなる夢でした。叶うとは思っていませんでしたが。

制作発表を拝見した瞬間からずっと夢見心地でした。アンケートに答えるのさえもとんでもなく楽しくて、タイトル公募は何個送ったか忘れるほど送ってしまいました。

せっかくのアンソロ、今回は恋の話がいいかなと思って着手しました。分からないままにして書くこともたまにありますが、だいたい書き始める時にこれは恋の話なのか愛の話なのかを考えます。例えば「無声慟哭」や「企みの行方」などは恋の話、「ちいさい秋みつけた」や「クレヨンを剥がす」などは愛の話です。当初は馴れ初めがいいだろうなと思って、さまざまな展開を考えてはボツにしてはを繰り返していました。

テーマが花なので、思いつく限りの花を並べたり花屋を覗いてみたりして、案出しは楽しかったです。全然しっくりこなくてさっぱり決まりませんでしたが。なんとなくこはくもHiMERUも花屋で切り花を買って贈る姿があまり想像つかず、身近なところに咲いている花をよく意識して過ごすようにしていました。ボツになった案には、寮の近くに咲いたリュウゼツランを見に行って50年後の話をするとか、みんなで花火を見に行く直前にHiMERUが熱出して来られなくなり、花火みたいな花を手にこはくだけ寮に帰ってきて慣れない看病をする話とか、そういうのがありました。こはひめ新聞DXに載っている「春の芽生え」もボツになった書きかけです。あれだけで終わってもいいですが、一応イメージの中では冒頭部分なので、いつかちゃんと書きたい気持ちはあります…元気と時間があれば…。

どんな話にするか、誰視点にするか、何も決まらないまま瞬祭礼に突入して、めちゃくちゃになりました。こっちに干渉して茶化されたことも大いなる要因ですが、こはひめが思ってたより手前にいて、いつの時点を書こうか困ってしまいました。個人的に新年度現在のこはひめは、付き合うどころか恋愛感情も抱いていない、友人かどうかも分からない手探りの関係だと思っています。この先なんやかんやがあって恋に落ち、やがて付き合うという認識なので、恋の話を書くとしたらどの時点の話を書けばいいのかさっぱり分からなくなりました。いや、というより要くんがPBBグッズを集めているらしいという情報があまりにもでかかったです。その「なんやかんや」がちょっと先なら要くんが寝ていることに違和感はないんですが、だいぶ先なら考えなければならないことがわんさか出てきます。こはひめの幸せを考える時、要くんも幸せでないとメルの幸せが成り立たないのではないかと思うわけです。

もうワーッとなって、1回全て無しにして、恋の話はやめるに至りました。愛の話にしよう、愛なら今の2人の間にもたっぷりある。それをすくおう…と決めてからは早かったです。考えていることに似たツイート(※)を以前していたのを思い出してほじくり出し、全体重をかけて捏ねました。「花の名」は愛の話です。

※23年秋のツイート
座敷牢にいたのに桜河のがメルより季節の花に詳しかったらめっちゃいいと思う。本人が生花習っててもいいし、姉はんらが持って来て「見てこはく、あやめが咲いたで」「なに言ってんのあんた、これかきつばたやで」「うそ!?こはく植物図鑑貸してや」みたいなことが起きてるといい。

庭のさるすべりの花を見せてやりたくて、枝折ったらけっこうガッツリいってしまって怒られる姉はんとかもめっちゃいい。そうやって覚えた花々をロケバスとかで「あ、あの家見てHiMERUはん。さるすべり綺麗に咲いてるわ」とかって無意識に教えてあげてるといい。

花の名前なんてただ生きてく上ではなんの必要もないものだから、それを覚えたり教えたりするのってある種の愛情の形だと思う。そうやって覚えた花が、今度は要くんへのお見舞いに反映されていくと素敵ね。

でもやっぱさるすべりが木の状態で咲いてるのは表の世界だけなんだよな……Petal's Resolution……

「ポピー」で両方の視点で読めるのがいいと言ってくれた方がいたので、今回もできれば両方から書きたいなと思っていました。書いていてもそれぞれの楽しさがあるので、両方にして良かったです。

内容についてあれこれ後出しするのは野暮なので特に書きませんが、楽しんでいただけるとうれしいです。あ、でも一つだけ、子どもだった「俺」が食堂で俯いていたことについて。私は書いている時、「俺」は母親がいないことや父親に置き去りにされていることを周りの大人に可哀想だと思われたくないんだろうなと思っていましたが、「子ども1人で場違いな大人の世界に耐えていた」という感想をいただいてホワ〜!なるほど、それもあるんだろうなと思いました。自分で書いておいてなんですが、感想を聞いて初めて見えるものがいっぱいあるので、読んで感じたことや考えたことがあれば、些細なことでもぜひ教えてほしいです。

アンソロうれしすぎてもう何周読んでるか分からないし、汚すの怖くてカバーかけました。死んだら棺桶に入れてもらう用にもう1冊必要だったかもしれません。ノベルティのシールももったいなくて厳重にしまってあります。チョコはうれしくて美味しくて、しばらく狂ったようにチロルチョコのミルクを買い食いする日々がありました。もうあれは私の中で=こはひめの甘さです。最高。

最後になりますが、改めて主催のえむさんへの感謝が尽きません。何から何までありがとうございました。おつかれさまでした。おかげさまで夢が叶い、宝物が手に入りました。後生大事にします。
#創作メモ